2008年12月08日

『頑張って磨いてください!』の罠



独断と偏見の歯科医療ブッタ斬り ★上手な歯医者の選び方

☆創刊第1号☆


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 ■今回のテーマ■
   
      『頑張って磨いてください!』の罠

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こんにちは、歯科医師のwizと申します。


私は現在、大手企業での検診医を主な仕事にしています。


この仕事をしていると、多いときは1日に200人近い方の口腔内を見る機会があります。


これは、歯科医院で治療だけしていたときには、考えられない経験(人数)です。


そして、これだけの人数を見ることではじめて、今までに気づかなかったこと、見えていなかったものに気づくようになりました。


今回のテーマの中身である「ブラッシング指導の質」もそのひとつです。


最近、ブラッシング指導を受けたことが原因で、逆にその弊害を起しているケースを目にすることが多くなってきました。


それも言われたとおり、まじめに取り組むかたに多いようです。


あなたの通っている歯科医院の、ブラッシング指導の質はいかがでしょうか??


いつ行っても、誰に対しても、同じことをくり返すだけのワンパターンのブラッシング指導ではありませんか??


数年前までは、良い歯医者の条件に「ブラッシング指導をしてくれる」が入っていましたが、今では「するか、しないか」より、「その質」が問われているようです。


本来、ブラッシング指導というのは『患者さんに合った磨き方を、その患者さんと一緒に探してゆく。』というスタンスで行われるものです。


なぜなら、口の中の状態(歯並び)はその人、その人によって皆違うからです。


従って、2ー3回で終わるものではありませんし、決まりきったやり方を、一方的に伝えて終わらせるものでもありません。


特に、「頑張って磨いてください。」「一生懸命に磨いてください。」という言葉を安易にくり返すことが、害を大きくしているようです。


この言葉を聞くと、私たちはつい『力』を入れてしまいます。


歯肉(歯ぐき)というのは、皆さんが思っている以上にデリケートな組織です。


それに比べて、歯のエナメル質というのは、人体で一番硬い組織(水晶と同じ硬さ)です。


そして口の中は、この2つが密接して存在しているという、とても特殊な環境にあります。


そこを、頑張って一生懸命に(力を入れて)磨くと、歯はきれいになるかもしれませんが、歯ぐきは痛んでドンドン退縮して(痩せて)いき、歯の根っこが露出してきます。


検診をしていても、1年前の記録では健康な歯ぐきだったのに、今回はほとんどの歯で3ー5ミリも歯ぐきの退縮をおこしている方がいます。


聞いてみると、ブラッシング指導を受けてから磨き方を変え、頑張って磨いているということです。


本人は、とてもまじめに取り組んでいるのです。


それが「自己破壊的行為」だと気づかずに・・・。


20代前半で、こういう状態に陥っている方もいます。
人生がまだ60年もあるというのにです。


こういうケースを見ると、とても痛々しく感じると同時に、なんだかやりきれない気持ちになります。


適切なブラッシング指導さえ受けていれば、このような状態を招くことはなかったでしょう。
最初にボタンさえ掛け違わなければ・・・。


[歯科においてこのような「ボタンの掛け違い」はよく目にします。子どものころ、痛い、怖い思いをして歯医者嫌いになったなんていうのは、その典型でしょう。]


退縮した(痩せた)歯ぐきは、もう元にはもどりません。
(外科的に歯ぐきを移植することは可能ですが。)


逆にうまく磨けなくて、少し炎症を起こしている程度の歯ぐきであれば、適切なブラッシングをすることで、健康な歯ぐきに戻すことができるのです。

まじめに取り組んだことが仇になるなんて、患者さんにとっては、たまったものではありません。


歯科医師や歯科衛生士は、その言葉の使い方ひとつで、患者さんを幸せにも、不幸にもできるような気がします。


歯科医師の言葉の使い方については、今後も「ドクターハラスメント」や「動機付けの仕方」等のテーマで取り上げていこうと思っています。


さて、あなたの通っている歯科医院のブラッシング指導の『質』は
いかがでしょうか??
   


追伸 

時々、「歯ぐきを歯ブラシでマッサージする」なんていう、非常識なことを教えている歯医者がいるようです。


歯ぐきは鍛えるものではありません。
やさしく、大切に扱うべきものです。


どうしてもと言うのなら、指でやさしくマッサージしてください。


これは顎(あご)の関節についても言えることです。


顎を鍛えるためと言って、無理してとても堅いものを食べる方がいます。


これでは、「顎関節症」の原因になってしまいます。


顎関節も歯ぐきと同じ「消耗品」と考えていただきたいのです。
(成長期に軟らかい物ばかりを食べていると、顎の発育が悪くなると言いますが、これはまた別の問題で、顎関節のことではありません。)


基本は、『丁寧に、やさしく、大切に』です。
posted by wiz at 14:49| 東京 晴れ| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月01日

ごあいさつ


はじめまして。

歯科医師の wiz と申します。


この度、少しでも日本の歯科医療のレベルが向上し、

『患者さんが、本当に良い歯科治療を受けられますように!』

との願いを込めて、メルマガを立ち上げることにしました。


歯科医療をレベルをアップさせるためには、

2つのアプローチの方法があると思います。


1つ目は、歯科医師自身の意識・知識・技術を向上させること。

2つ目は、患者さん側の意識と知識を向上させることです。  


このメルマガは 後者を意図 して創ってゆこうと思っています。


患者さんがレベルアップすれば、歯科医師もレベルを上げざるを得ないでしょう。

それができない歯科医院は、淘汰 されてゆくでしょう。

それが結果的に、『患者さんの幸せを守る』ことにつながってゆくと思います。


このメルマガは、

『(歯科医師である)私が患者さんだったらこうしてほしい!』

『こんなふうに治療してもらいたい!』


という視点も交えながら書いていくつもりです。


タイトルを見ていただければお判りのように、あくまで 『私見』 ですが、

少しでも、歯科医院を選ぶ ときの参考になれば幸いです。




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タグ:ごあいさつ
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